(1)下地処理

防水工事の最初のステップは、下地処理です。この工程が不十分だと、どれほど優れた防水層を作っても、長期的にはトラブルを招く可能性があります。
- 1.下地の確認
- まず、施工する場所のコンクリートやモルタルの表面状態を確認します。凹凸、ひび割れ、穴などがないかをチェックし、必要に応じて補修を行います。
- 2.清掃
- ホコリ、汚れ、油分などが残っていると防水層の密着性が低下するため、これらを完全に除去します。
- 3.プライマーの塗布
- 下地にプライマーを塗布し、アスファルトシートがしっかりと密着するように準備します。プライマーは、シートとの接着を強化するために必要です。


(2) アスファルトシートの敷設
このステップがアスファルト防水工事の中核です。防水性能を発揮するためには、正確で隙間のないシートの敷設が不可欠です。

- 1.アスファルトシートの敷設
- アスファルト防水シートを敷き、溶融アスファルトを使って、シートを高温で溶かしながら下地に密着させます。複数層のシートを重ねることで、強固で耐久性のある防水層を作ります。
- 2.重ね合わせ
- シート同士は、隙間ができないように約10cm程度の重なりを持たせて敷設します。これにより、接合部からの水の侵入を防ぎます。
- 3.エッジ部分の処理
- 端部や壁面との取り合い部分は特に丁寧に処理し、シートがしっかりと固定されていることを確認します。これにより、隙間や浮きが発生しないようにします。
(3) 保護層の設置
アスファルト防水層を長持ちさせるために、保護層を設けます。特に、屋上やバルコニーなどの露出部分では、この仕上げが防水層の劣化を防ぎます。
- 1.トップコートの施工
- 防水層の表面を保護するために、トップコートや保護塗料を塗布します。これにより、紫外線や外部の物理的ダメージから防水層を保護します。
- 2.保護シートの敷設
- 歩行用の屋上など、強い摩擦や荷重がかかる場所には、砂利やタイル、保護コンクリートなどを追加して耐久性を高めます。
この保護層が、防水層の摩耗を防ぐ役割を果たします。

(4) 最終確認と仕上げ
最後に、施工全体を点検し、防水層に不備がないか確認します。
- 1.最終清掃
- 施工後に残った残材や汚れを取り除き、現場をきれいに整えます。
- 2.メンテナンスの提案
- 施工後の点検やメンテナンス計画について、クライアントに提案し、長期的に防水層を保つためのアフターケアを行います。