(1) 複雑な形状や狭いスペースの防水が必要な場合

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布するため、細かい凹凸や複雑な形状の場所でも、隙間なく防水層を形成することができます。
ベランダやバルコニー、排水溝やパイプの周囲など、シート状の防水材が使用しにくい場所に適しています。
塗布によって防水層を作るため、どんな形状にも柔軟に対応でき、複雑な形の屋根や斜面の多い場所でも均一な防水効果を得ることができます。
(2) 軽量な防水工事が求められる場合
ウレタン防水は、アスファルト防水など比べて軽量です。
特に、耐荷重が限られている建物や、古い建物に対して施工する場合、重量の軽いウレタン防水は建物の構造に余計な負担をかけずに済みます。軽量であるため、屋上の改修工事や、構造補強が難しい古い建物での防水工事に最適です。
(3) 小規模な施工箇所が多い場合
ウレタン防水は、小規模なバルコニーやベランダ、屋上などの限られたスペースにも適しています。
施工範囲が狭い場所や、部分的な防水が必要な場合には、ウレタン防水の柔軟性が活かされます。
例えば、小さなベランダや個別のバルコニーなどの狭いエリアでは、シート防水よりも、効率よく施工を行うことができます。
(4) 防水層の補修や再施工が必要な場合

ウレタン防水は、既存の防水層の上から重ね塗りすることができるため、メンテナンスや再施工が容易です。
既存の防水層に部分的な劣化が見られる場合や、古くなった防水層を補修したい場合、ウレタン防水による補修が手軽に行えます。
特に、局所的な劣化に対して柔軟に対応でき、施工部分だけを再塗装することで、費用を抑えつつ防水性能を回復させることができます。
(5) 防水と美観が求められる場合
ウレタン防水は、施工後の表面が滑らかで均一に仕上がるため、防水性能だけでなく、美観を保ちたい場所にも向いています。
特に、バルコニーや屋上テラスなど、居住者が頻繁に利用するスペースでは、見た目にも配慮した仕上がりを得ることができるため、デザイン性と防水性を両立したい場合に最適です。色も選べたり、防滑仕様も可能です。
(6) 病院や学校等、音の発生が制限される場合
塩ビシート機械的固定工法下地全面に穴を開けるため施工中の騒音がかなり発生します。ウレタン防水工法は基本的には下地に穴を開けないため、騒音は発生せず、病院や学校等の施設運営を妨げずに施工することができます。
まとめ
ウレタン防水は、特に複雑な形状や軽量建築物、小規模施工、短期間での施工が必要な場合に強みを発揮します。
また、再施工や部分補修が容易なため、メンテナンス性も高く、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。